住宅ローン減税の延長が検討されています

政府は2019年10月の消費増税にあたり、

住宅購入の支援策として住宅ローン減税が

受けられる期間を現行の10年から1~5年ほど

延長する調整するとのことです。

 

消費増税前の駆け込み需要や

その反動減を防ぐ狙いがあります。

 

年末の自民党や与党の税制調査会

詳細を議論し、最終決着させます。

 

新築の一戸建てやマンションを事業者から買った場合、建物部分に消費税がかかります。中古の個人間売買にはかかりません。

 

住宅ローン減税は年末の借入残高(4千万円が上限)の1%に相当する額を所得税などから差し引ける仕組みです。


 

10年間で合計最大400万円の税額控除があり、確定申告や年末調整を通じて還付されます。1年間で最大40万円が税額控除される今の額を前提にすれば、15年に延びると単純計算で200万円増える計算です。

 

住宅ローン減税がマイホーム購入を後押ししているのが現状です。

 

消費増税対策として検討されている住宅ローン減税の拡充策は、期間の延長に加えて主に2つあります。

 

一つが減税の対象となるローン残高の引き上げです。現在は最大4千万円ですが、これを「5千万円」などに上げる案です。期間を10年に据え置いても最大500万円が税控除されます。

 

もう一つは税控除率の引き上げで、残高の1%とする比率をさらに引き上げる考え方です。国交省や住宅業界は期間延長以外の案に消極的です。

 

業界団体の住宅生産団体連合会の調査では、住宅ローンの平均借入額は約4千万円で、2千万~3千万円の層も多いとされています。


 

減税対象となるローン残高を引き上げても恩恵を受ける層は限られ、購入支援策として効果が薄いとみています。

 

中低所得層には所得税額が計算上の減税額より少ない人もいます。税控除率を引き上げても減税の枠が余り、効果は乏しくなります。

 

多額を借り入れられる高所得層しか恩恵を受けられないと懸念する声もあります。一方で、減税期間の延長は全ての所得層に恩恵が及びやすくなります。

 

国交省は駆け込み需要や反動減を抑えるために効果が高いとみており、住宅業界は増税による負担増をおおむねカバーできるとしています。


 

また、最大5年延長して減税期間を15年とするよう要望しており政府・与党で調整を進めています。財務省内では消費増税対策として、単純にローン減税期間を延長することに慎重な考え方も残っています。

 

すでに十分な減税期間を確保しているうえ、住宅ポイントの復活や給付金の拡大で増税の負担増を緩和できるとの見方です。

 

減税対象のローン残高や控除率を引き上げたほうが消費者にも分かりやすいとして調整が曲折する可能性もあります。住宅購入の支援策をめぐっては、一定の条件を満たす購入者に一時金を渡す「すまい給付金」の拡大も候補の一つです。

 

10%への増税後、年収775万円以下の人を対象に最大50万円を支給する予定になっていますが、住宅ローン減税延長の検討状況もにらみながら、給付金の増額や条件緩和の案も検討します。

 

国交省財務省は住宅の新築や改築にポイントを付与する仕組みを復活させる検討も始めています。

 

省エネ性能の高い住宅などを対象として2015年に実施した「住宅エコポイント」を参考に、制度の詳細を詰める予定です。